29.鶏卵成分をモデルとする食品タンパク質の"コク味"の分子実態解析

2020年度研究助成 (2021年度研究実施)

我々は,"コク味"の受容体であるCalsium-sensing receptor(CaSR)を活性化するタンパク質成分として初めてリゾチームを見出した.リゾチームによるCaSR活性化メカニズムの解明は,タンパク質の"コク味"機能を理解する上で有用な知見を与える.そこで本研究では,リゾチームによるCaSR活性化メカニズムの解析を進めた.まず初めに,リゾチームのアミノ酸配列を全網羅するペプチド群を合成し,CaSR応答を評価した.その結果,リゾチームと同様のCaSR活性化能を有するペプチドLを特定した.次に,ペプチドLを構成するアミノ酸残基を1残基ずつAlaに置換したペプチド群を合成し,CaSR活性を評価した結果,リゾチームの分子表面に位置する5つのアミノ酸残基がCaSR活性化に重要であることが明らかとなった.さらに,ペプチドLを構成する各アミノ酸残基を19種類の他アミノ酸で置換したペプチド群についても網羅的にCaSR活性を評価し,各残基の寄与を明らかとした.

所属
静岡県立大学 食品栄養科学部
著者
伊藤 圭祐
出典
東洋食品研究所 研究報告書, 34, 227-232 (2022)

刊行一覧