35.ローヤルゼリー特有成分デセン酸の標的分子および効能発揮の分子機構の解

2020年度研究助成 (2021年度研究実施)

ローヤルゼリーは,ミツバチの働き蜂が合成・分泌し,女王蜂となる幼虫に供される,多種類の成分が混合した栄養価の高い食物であり,近年栄養補助食品として着目されている.その成分の約5%を占めるのが,ローヤルゼリー特有のトランス脂肪酸であるデセン酸で,抗炎症,抗インスリン抵抗性,抗腫瘍作用など,様々な有益な作用が報告されている,ローヤリゼリーの主要な効能成分である.ところが,デセン酸の実際の疾患予防・治療への応用は全く進んでおらず,その大きな要因が,デセン酸の具体的な作用点や作用機構については全く未解明な点である.そこで本研究では,デセン酸のターゲット分子および生体作用機構の解明を目的として,研究に着手した.
約300分子の7回膜貫通型Gタンパク質共役型受容体(GPCR)を対象とし,デセン酸がリガンドとして作用するGPCRの同定を目的としたスクリーニングを行った結果,目的の受容体の同定には至らなかった.そこで次に,デセン酸が影響を与える細胞応答の同定を目指し,細胞死・炎症を誘導する様々なストレス刺激を細胞に与えた際のデセン酸の影響を網羅的に調べる表現型スクリーニングを行ったが,代表的な細胞死・炎症刺激時の細胞応答に対するデセン酸の影響は認められなかった.

所属
東海大学大学院 薬学研究科
著者
平田 祐介
出典
東洋食品研究所 研究報告書, 34, 257-261 (2022)

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