14.肉の前処理技術の効果の持続性評価-製造2週間から12ヶ月までの経時変化-

常温保存可能な容器詰食品において,食肉のテクスチャーは商品価値に大きな影響を及ぼす.しかし,かねてより常温保存可能な容器詰食品において保存中に肉が硬くなり,多汁性が喪失するという課題があり,解決策が求められていた.種々検討した結果,重曹およびカラギーナンからなる軟化剤溶液に浸漬することにより,レトルト殺菌後も軟らかさおよび多汁性を期待できることが見いだされた.その効果の持続性を検証するため,異なる軟化剤強度で処理した牛・豚・鶏肉のサンプルを23℃で12ヶ月間保存し,肉質の変化を調査した.ほとんど全てのサンプルにおいて保存後も概ね処理強度が強いほど軟らかく多汁性が高い傾向にあり,軟化剤処理効果を維持していた.また,経時的に軟らかくなる傾向にあるものの,大きな変化は認められなかった.

著者
稲田 有美子
出典
東洋食品研究所 研究報告書, 34, 109-118 (2022)