1.新しい加工用イチゴ品種'ベニヒバリ'の特性

新加工用イチゴ品種'ベニヒバリ'は'アメリカ'と'宝交早生'を交配して得られた交雑実生から1989年に選抜されたものである.

'ベニヒバリ'の果実は円錐形,果肉は鮮紅色で,株当りの果実収量は579gである.成熟果を片手収穫すると,へたは株に残り,へた無し果実が容易に収穫される.果実は畑で腐敗しにくく,腐敗抵抗性を有している.

この品種の果実から製造したジャムの品質は'アメリカ','宝交早生'のジャムに比べて優れている.色は鮮赤色で,果実は柔らかく残り,香り,食味の官能評価点も高い.

以上から,'ベニヒバリ'は加工用露地栽培に適すると考えられる.

著者
宮崎 正則、佐藤 宏、奥 正和、後藤 隆子
出典
東洋食品工業短期大学・東洋食品研究所研究報告書,21,1-9,(1996)
/ 園学雑(J. Japan. Soc. Hort. Sci.), 63(4), 811-817, (1995)

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