2.青果物の鮮度保持における機能性ダンボール包装の効果
 II. プラスティックフィルム袋との比較

青果物の鮮度保持用機能性段ボール「たもっちゃん® T-CA®」(以下,T-CA)にブロッコリー,タケノコならびにキュウリを箱詰めし,I字貼りで封かんして,低温および室温で貯蔵した場合の鮮度保持効果を評価し,プラスティックフィルム袋(普通ダンボール箱を外装として使用)と比較した.

T-CA,プラスチックフィルム袋とともに内部の湿度は高く保たれた.ブロッコリーの貯蔵ではT-CAはプラスチックフィルム袋と同等のMA包装効果を示した.タケノコの貯蔵では,T-CA内の酸素濃度の低下および二酸化炭素濃度の上昇はプラスティックフィルム袋より少なく,MA包装効果はプラスティックフィルム袋より劣った.キュウリの貯蔵において温度を5℃から20℃に変えた場合,プラスティックフィルム袋では酸素濃度が急速に嫌気状態に近づいたが,T-CAでは回避された.

鮮度保持効果がプラスティックフィルム袋と同等であれば,T-CAには作業性の簡素化や包材コストの削減というメリットがある.

所属
*東罐興業株式会社、**元 東洋食品工業短期大学
著者
高橋 徹、佐藤 正典*、後藤 隆子、奥 正和、高橋 基*、森 大蔵**
出典
東洋食品工業短期大学・東洋食品研究所研究報告書,25,9-17,(2004)

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