11.その一 タラバカニ缶詰についての測定結果

水産物缶詰についての熱伝達速度の測定は、数多く発表されているが、いまだカニ缶詰についてはなかったので、著者が測定した結果を報告する。

カニ肉液化菌で濃厚に汚染されたカニ缶詰(1/2ポンド缶)の殺菌加熱はFo=2.1では不足で、Fo=2.60以上の殺菌加熱を必要とすることが認められた。この測定の行われた当時現地で採用されていた殺菌加熱はFo=1.4程度という低いものであったからカニ肉液化菌やCl.Botulinumに対しては、まったく危険なものであったといえる。

著者
志賀 岩雄
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,96-125(1959)
缶詰時報、11(1),70-76,1932年.科学と工業7(3),168-182 1932年.

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