34.食品中の核酸成分に関する研究-Ⅲ
水産食品における5′-ヌクレオチドの分布

あさり、しばえびなど約7種の水産食品を対象にして食品化学的見地から5′-ヌクレオチド類の分布を調べた。5′-ヌクレオチドの定量はDowex1×8を用うるカラムクロマトグラフィによった。また5′-ヌクレオチダーゼによる総5′-ヌクレオチド量を測定した。あさり、しばえび過塩素酸抽出物について画分の同定を行なった。5′-UMP、5′-AMP、しばえびにおいてはこれらに加えて5′-IMPの存在を確認した。また5′-CMPの存在は微量のために確認することはできなかった。一般に貝類、 あわび、かに、しばえびには3種の5′-ヌクレオチドが普遍的に認められたが2′,3′ヌクレオチドはほとんど見出されなかった。えび類においては5′-IMP の存在を認めた。

貝類、かになどの5′-ヌクレオチド類含量はきのこ類と比較すると同じ程度であった。食品自体のRNAの約1/6量に過ぎないことが認められた。しばえび、くるまえびにおいては5′-IMPが見出され、また貝類については5′-AMPが存在し、ダルタミン酸との相乗効果によって幾分かは旨味に影響することであろう。

著者
毛利 威徳、橋田 度、志賀岩雄
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,243-251(1965)

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