日本貝類学会令和7年度大会で発表します。

令和7年度 日本貝類学会大会 (東京家政学院大学 千代田三番町キャンパス) で発表します。

演題:ホタテガイの水温変化に対する遺伝的応答

講演番号:O-12
発表者:山崎 友資、河合 総一郎

本研究では、ホタテガイの水温変化に対する遺伝的応答について、北海道産ホタテガイの全ゲノム解析を実施し、むつ湾産(以下、高水温ホタテ)および噴火湾産(以下、低水温ホタテ)の個体を用いて、RNA-seq解析により明らかにした。実験は、各産地の個体を現場水温(5℃→5℃、23℃→23℃)および相反水温(5℃→23℃、23℃→5℃)で飼育して行った。飼育開始後24時間および72時間の時点で、各ホタテガイから8種の組織(閉殻筋、外套膜、生殖巣、肝臓、腎臓、心臓、腸、鰓)を採取し、合計193試料からRNAを抽出した。解析の結果、高水温ホタテと低水温ホタテでは、温度変化に対する遺伝的応答が明確に異なることが示唆された。

発表日:2025年5月17日(土) 15:45 - 16:00(口頭発表)

演題:日本産アサリの遺伝的集団構造と殻形態の関連性

講演番号:O-17
発表者:北畠 京祐1,2、山崎 友資1、山崎 大志2、大越 健嗣1,2
    (1 公益財団法人東洋食品研究所、2 東邦大学)

アサリは我が国ではなじみ深い二枚貝であるが、漁獲量の減少が著しい。近年の漁獲量はピーク時の約3.5%にとどまっている。アサリ需要を補うため、中国や朝鮮半島産の個体が約40年に渡って国内に導入されてきた。自然分散と人為的分散が絡み合うことで、アサリの遺伝的集団構造は複雑化している。アサリを持続可能な水産資源として維持、管理していくためには、日本在来のアサリを対象とした養殖や資源管理の実施が求められる。しかし、それらの分布域や形態的特徴は明らかになっていない。そこで本研究では、アサリの遺伝的集団構造を評価することで、日本在来個体群の分布域を調査した。さらに、殻形態の三次元解析を行うことで、日本在来のアサリに特有の形態的指標があるかどうかを検証した。

発表日:2025年5月17日(土) 17:15 - 17:30(口頭発表)

演題:マダラコウラナメクジ (Limax maximus) を用いた新規飼料の開発

講演番号:O-26
発表者:河合 総一郎1、山崎 友資1、小田桐 亮2
     (1 公益財団法人東洋食品研究所、2 倶知安風土館)

ヨーロッパ原産の外来種マダラコウラナメクジ (Limax maximus) を水産飼料として有効活用することを目的に、ニジマスを対象とした飼育試験を行った。
ナメクジ粉末を添加した飼料は成長には影響を与えなかったが、糞量の増加や糞中のムチン含量の変動が確認され、腸内環境への作用が示唆された。
本研究は、侵略的外来生物の資源化と新規機能性飼料の可能性を示すものである。

発表日:2025年5月18日(日) 16:30~16:45(口頭発表)

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