第22回 世界貝類学会 (ブタンタン研究所 ブラジル・サンパウロ 2025年8月4日(月)~8日(金)) で発表します。
演題:アサリの分子系統と遺伝的集団構造
Molecular Phylogeny and Population Genetic Structure of Manila Clam Ruditapes philippinarum
講演番号:399
発表者:○北畠 京祐1,2、山崎 友資1、大越 健嗣1,2
(1 公益財団法人東洋食品研究所、2 東邦大学)
アサリは主に東アジアに分布する水産有用二枚貝である。日本では 1980 年代以降、漁獲量が著しく減少している。それに伴い、中国や朝鮮半島産の個体が約 40 年に渡って国内に導入されてきた。自然分散と人為的分散が絡み合うことで、本種の遺伝的集団構造は複雑化している。アサリを持続可能な水産資源として維持していくためには、日本在来のアサリを対象とした養殖や資源管理が必要である。しかし、その分布域は明らかになっていない。そこで本研究は、遺伝的集団構造を評価することで、日本在来個体の分布域を調査した。その結果、日本には主に「中国・韓国系」と「日本在来系」が存在し、東北以北の太平洋側には「日本在来系」が分布することが明らかになった。
発表日:2025年8月6日(水) 14:00 - 16:00(現地時間・ポスター発表)