10.アンカーキャップ瓶用ゴムパッキングに関する研究(第2報)
(輪ゴムの硬度と蓋の耐圧度との関係)

アンカーキャップ瓶詰の加熱殺菌時における蓋の耐圧度と輪ゴムの硬度についての関係を調べた。

(1)73ミリ輪ゴムについて100lbブリキの蓋を使用した場合、輪ゴムの硬度が72でも75でもその耐圧度に差がないが、硬度が80になると目立って耐圧度が良くなる。

(2)硬度82の老化した輪ゴムは、空気による耐圧度は非常に良いが蒸気圧による耐圧度は著しく不良で100℃30分の加熱で既に90%の蓋が半開した。

(3)一定硬度(75)の輪ゴムで蓋のブリキに85lb、100lb、107lb物を使用した場合の耐圧度は、厚いブリキ鈑で作られたものほど大きくなった。

(4)第10号の試験瓶は各回の試験を通じても蓋の脱落が早かった。この瓶の口径の形が良くないと思われた。

(5)66ミリ輪ゴムと73ミリ輪ゴムの結果は同等であった。

(6)以上より、アンカーキャップ瓶詰の加熱殺菌中における耐圧度を良くするには、輪ゴムには硬度80の比較的堅いものを用い且つ蓋のブリキは厚いもの程良い。但し老化して堅くなった輪ゴムは耐圧度無く不良である。

著者
金澤 彌之助、西川 英二
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,1,65-68(1950)

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