8.本邦小豆島産オリーブの加工研究

我が国に於けるオリーブの生産は僅かに香川県下に50〜60石、岡山県下に10石内外産出するに過ぎないが、瀬戸内海沿岸地方は気候的にオリーブの適地と見なされていて将来有望視されている。

最近農林省では増産計画を立て、年々苗木の増殖を行っているから近い将来、我が国においてもオリーブ果実加工事業が発展する可能性があるものと思はれる。増産の主目的はオリーブ油の生産にあると言われているが、過去の経験から見てオリーブ油だけでは採算がとれない場合が多いと考へられる。

よって筆者等は我が国のオリーブ栽培の現況を調査すると共に、現在生産されているオリーブがグリーンビックルの瓶詰又はライトプオリーブの缶詰に加工して見て品質的にどうか? と言う点を研究して見たいと思い、少数量ではあるが試作実験を行って見た。

原料果実は総て香川県小豆群西村の農林省オリーブ試験地のものを用いた。試験製法はW.V.CrueSS:-Commercial Fruit and Vegetable Productsに記載の方法によった。

著者
澤山 善二郎
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,1,52-57(1950)