15.ミカン缶詰の低温殺菌機における回転殺菌試験

ミカン缶詰の低温殺菌機の缶の回転の効果について、主として回転と温度上昇、回転と品質などにつき試験した。

缶の回転は低温でより短時間に殺菌の目的を達し得る効果は認められたが、詰込量をより節減できるような効果は認められなかった。ミカン缶詰では缶の回転はブロークンの発生に関係がある。それはヘッドスペースのaerationによるものと思う。このテストでは5号缶では50rpmまで、2号缶では20rpmまで、1号缶では10rpmまではブロークンの発生が少なく、応用できることを認めた。しかしミカン原料の質(とくに砂のうの粘着性)によって缶の回転できる限界が異なるので原料に応じて回転数を変えられるような殺菌機の設計が望ましい。

著者
奥 正和、森 大蔵、佐藤 都、下田 吉夫、澤山 善二郎
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,100-109(1969)

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