16.FPD-GC法による温州ミカン果汁中のS-メチルメチオニンスルフォニウムの定量

温州ミカン果汁の異臭原因物質であるジメチルスルフイド(DMS)の前駆物質S-メチルメチオニンスルフォニウム(MMS)の定量において,炎光光度検出ガスクロマトグラフ(FPD-GC)を用いて,簡便な前処理で,高感度に分析する方法を開発した.温州ミカン果汁とほう酸緩衝液(pH9.5)をアンプルに封入し,オートクレーブで120℃・15分間加熱処理することにより,アンプル内でMMSをDMSに分解する.エチルメチルスルフィド(内部標準)を含む密封したヘッドスペース捕集びん内でそのアンプルを割り,15分間定温浴中で振とう後ヘッドスペースガスをFPD-GC法により分析する.再現性と回収率はそれぞれ0.79%と100.2%で,極めて精度よく分析することができた.

著者
隅谷 栄伸、末兼 幸子、酒井 康江、達家 清明
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,19,137-139(1992)