6.電子レンジ加熱中のレトルトパウチ損傷の調査

電子レンジ加熱が可能なレトルトパウチであっても,内容物や750 W以上の高出力電子レンジの加熱条件よっては,包材に損傷が出る.高出力のオンオフで温度調節する電子レンジで顕著な現象である.損傷原因を小麦粉,油,脂,香辛料,精油,β-カロテン,無機塩類で調製したモデル内容物を用い調べた.無機塩は内容物中心へのマイクロ波の浸透を遅らせるため,粘性ある内容物の界面温度は上昇する.その結果,界面付近に滞留する液状油が過加熱となりパウチに穴が開く.粘度と油濃度をコントロールすれば,パウチの損傷は防止できる.

著者
稲田 有美子、高橋 英史
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,27,41-46(2009)

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