04.容器密封性評価のための迅速LC/MS 検知法

超高圧処理した飲料容器の密封性(マイクロイミグレーション)を確認するために迅速LC/MS吸い込み検知法を考案した.原理は,純水を充填した容器を,水溶性有機物(例えばクエン酸)を含む水の入ったパウチに詰め,高圧処理後にボトル中の水をLC/MSで測定することにより,外部の水が容器に入ったかで密封性を検査するものである.純水の入ったPETボトルを調製し,高圧処理後,測定した結果,故意に密封不良させた試料から,確実に有機物の汚染を確認でき,本法は密封性評価への利用が示唆された.さらにその定量値から,混入水量を推定できることから,リスク評価への応用にも期待できる.本法は容器をクエン酸溶液の入ったパウチに詰めれば,高圧処理だけでなく,一般的な加熱殺菌等での密封性評価にも利用できると思われる.また基本的にはビン詰め,パウチ詰め,缶詰など,容器形態にとらわれないため,ビン詰めのキャップの密封性,パウチのヒートシール部の接着不良評価等,利用範囲を広く展開できると期待している.

著者
隅谷 栄伸、大木 伽耶子
出典
東洋食品研究所 研究報告書,31,27-30(2016)

刊行一覧