09.レタス類を中心とした工場野菜の品質評価法の検討

フリルレタスを工場野菜のモデルに用い,食味,食感,生長バランスおよび色調に関する評価方法を検討した.

食味について,官能試験に供した保存3日以内のフリルレタスでは,食味の変化が少なく,味覚認識装置および官能試験ともに差異が認めらなかった.5日保存以降のフリルレタスは官能試験には供していないものの,味覚認識装置は保存に伴う変化を判別でき,一定以上の差異がある試料であれば食味の差を判別可能と思われた.食感については,ミニクラマーシアセルを治具に用いた試験片の破断強度と定義することにより,官能試験よりも鋭敏に測定できた.生長バランスは,葉の厚みや葉重量に基づき評価できた.色調は,色差計を用いてL*a*b*表色系における明度,緑色および黄色の値を測定することで評価できた.

フリルレタス'ハンサムグリーン'の評価では,食味についてはホウ素濃度による差が認められなかったが,食感として測定した破断強度はホウ素濃度に応じて増加した.また,生長バランスおよび色調については市販フリルレタスとの差を判別できた.

これらの結果から本報で検討した品質評価法でレタス類の品質評価が可能と思われた.

著者
青木 俊介、遠田 昌人
出典
東洋食品研究所 研究報告書,31,57-65(2016)

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