日本食品科学工学会 第72回大会で発表します。

日本食品科学工学会 第72回大会 (日本大学 湘南キャンパス) で口頭およびポスター発表します。

レトルト殺菌に伴う鰹だしの香気バランス変化

発表者:笹井 実佐、湯浅 佳奈

レトルト殺菌前後の鰹だしをそれぞれ段階的に希釈し、匂い嗅ぎ付きのガスクロマトグラフ-質量分析計(GC-MS)にて分析することで香気全体に対する成分の寄与を調べたところ、殺菌後において寄与の高い成分が増加し、それらは硫黄系、甘い、コンソメ様などの香りを呈した。殺菌に伴う鰹だしの香気変化は、寄与の高い成分の増加による香気バランスの変化も要因であると考えられた。

講演番号:2Hp07
発表日時:2025年8月28日(木) 16:30~16:45

レトルト殺菌と酸素が保存中の牛肉ミートボールの肉色に及ぼす影響

発表者:稲田 有美子1、田渕 雅夫2、野本 豊和3,4、水野谷 航5、坂田 亮一5、竹田 志郎51:公益財団法人東洋食品研究所、2:名古屋大 シンクロトロン光研究センター、3:あいちシンクロトロン光センター、4:公益財団法人科学技術交流財団、5:麻布大 獣医学部)

食肉の容器詰食品において、十分に加熱された食肉製品の断面が赤い色調を示す場合(ピンキングと呼称)があり、加熱不十分ではないかと消費者に不安を感じさせることがある。本研究では、レトルト殺菌および酸素が牛肉ミートボールの貯蔵中の肉色に及ぼす影響について検討した。酸素 21%存在下のミートボールは他の製品に比べ、断面中心が顕著にピンク色を呈し、断面中心(赤色部)は周囲(非赤色部)よりも還元状態にあることが示唆された。レトルト殺菌後の製品による酸素消費量、チオール基濃度、カルボニル量、および鉄の価数の結果から、非赤色部における塩溶性タンパク質の酸化が進んでいると推察された。以上より、本研究で観察されたミートボールのピンキング現象は貯蔵中の製品の酸化還元状態の変化に起因するものと考えられた。

講演番号:2Mp09
発表日時:2025年8月28日(木) 17:00~17:15

ツナ缶詰製造工程における2-オキソイミダゾールジペプチドの変動

発表者:甲木 孝弘1,2、沖浦 文1、小前 奏明2、隅谷 栄伸1、井田 智章3、笠松 真吾2、居原 秀21: 公益財団法人東洋食品研究所、2: 大阪公立大学大学院 理学研究科 生物化学専攻、3: 大阪公立大学研究推進機構)

イミダゾールジペプチド(IDPs)の酸化修飾体2-オキソIDPsは高い抗酸化活性を持つことが知られている。これまで一部の水産缶詰で2-オキソIDPsの含有を見出したが、生鮮素材から製品への加工工程で2-オキソIDPs含量が変動するかは不明であった。本発表では、ツナ缶詰をモデルに各製造工程における2-オキソIDPs含量を分析した結果について報告する。

講演番号:3Ga04
発表日時:2025年8月29日(金) 9:45~10:00

肉様香気を呈する大豆タンパク質由来メイラード反応物における香気寄与成分と調製条件の影響

発表者:西村 耕作、阿部 竜也

持続可能な食糧供給の観点から、代替肉の風味向上を目的に、大豆タンパク質の酵素加水分解物を原料としたメイラード反応物(MRPs)の香気特性を調査した。異なる条件で調製した2種のMRPs(MRPsA、MRPsB)の香気を官能評価およびGC/MS分析で比較した結果、MRPsBの「動物系のだしのにおい」はMRPsAや牛肉抽出液より強いと評価された。また、その香気寄与成分として2-メチル-3-フランチオールとメチオナールが推定された。現在、これら成分の産生量に影響を与える調製条件の解明を進めている。

口頭発表
講演番号:3Gp11
発表日時:2025年8月29日(金) 16:45~17:00

ポスター掲示
講演番号:P007
掲示期間:8月27日(水) 13:00~8月28日(木)
討論タイム:8月28日(木) 14:00~14:45 (ポスター番号奇数番号)

ランチョンセミナー
古い食品素材グルコサミンの「リポジショニング」 -東洋食品研究所の新しい取り組みの一例-

発表者:新谷 知也
司会:隅谷 栄伸

グルコサミンは、これまで主に膝関節をサポートする食品素材として広く利用されてきた。弊所では、「リポジショニング」(機能性の再配置)の視点から、グルコサミンの新たな可能性を探る研究開発を最近開始した。

講演番号:3LS-02
発表日時:8月29日(金) 12:00~12:50

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