12.クロム処理鋼板製空缶使用の缶詰中のクロムのジフェニルカルバジドによる定量

本研究は、クロム処理鋼板がブリキに変わり得る食品の包装器材としての利用を目的として、内容物の保存性も含めた耐腐食性試験、食品衛生学上の問題等についての試験研究の一環として、溶出して来るかも知れない微量クロムの分析法を検討した。

(1)試料灰分は混酸(硝酸1部:燐酸3部:硫酸4部:水22部)に溶解する.
(2)クロム酸化には、過マンガン酸カリ法を採用する。
(3)脱鉄処理を行なわない時は、発色時3〜5分以内に比色を完了すべきである。
(4)クぺロンで脱鉄処理を行なうと、鉄が200〜300ppm含まれていても発色後10分間は比較的安定で誤差の導入は少ない。
(5)クペロンで脱鉄操作を行なっても、分析の精度、簡易迅速性にはあまり影響がない。

著者
岩本 喜伴、飯貝 忠子
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,73-80(1963)

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