25.トマトジュースに関する研究-Ⅱ
トマトジュースの品質について

前報に報告した有望4品種のうち、一般工場製造法に準じて製造したShin-Shugyoku、Tomato Rei Humbert、Homesteadの3品種に市販品5種を加え、これらの化学成分、色調、食味についての品質の比較検討をおこなった。

(1)品種Tamato Rai Humbert、Homestead、Shin-Shugyokuを用いて製造したトマトジュースと、市販品5種の品質比較をおこなった。

(2)供試ジュースの化学成分、遊離アミノ酸には明瞭な差はなかった。

(3)色調は供試全ジュースとも米国農林規格のGrade A級に属し、特にTamato Rai Humbert、市販品A、B、およびEが良好であった。

(4)日本電色KKのColor stadioで白板を標準板にして反射光を測定した値のa/bが1.70以上あれば、色調は良好であった。

(5)食味試験ではTamato Rai Humbert、A、B、D、Eがよく、色調のよいものと味のよいものが一致した。

以上のことからTamato Rai Humbert は関西地方ないし暖地のトマトジュースとして有望であると判断した。

著者
宮崎 正則、国里 進三、若狭 勝、黛 乙郎
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,184-191(1965)