24.トマトジュースに関する研究-Ⅰ
果汁適性品種について

近年日本でもトマトジュースの消費が伸び、それに伴ってトマト加工用品種の育成や加工適性の問題についての報告がかなりみられるようになった。加工用品種についての栽培特性、収量、果実の品質、製品の収量と品質についての研究は少ない。

本研究はアメリカ、ブラジル、イタリアから集めた14品種を用い、この点について検討を加え、関西地方におけるトマトジュース加工適性品種を選抜しようとしたものである。

1)供試品種中、収量、栽培難易、耐病性等の栽培特性および果実の化学成分から判断して、Burpee's Big Boy Hybrid、Indian River World、Ingegnoli Gigante Liscio、Glamour、Tomato Rei Humbert、Shin-Shugyoku、Red Jacket、Homesteadの8品種が有望品種とされた。

2)果汁収率、ジュ-スの品質の面から検討して、Indian River World、lngegnoli Gigante Liscio、Glamour、Tomato Rei Humbert、Shin-Shugyoku、Wonder Boy F、Hybrid、Red Jacketの8品種が良好であるとされた。

3)1)と2)を総合して、Tomato Rei Humbert、Homestead、Shin-Shugyoku、Glamourの4品種が関西地方におけるトマトジュース用品種として有望であると思われた。

著者
宮崎 正則、国里 進三、若狭 勝、黛 乙郎、緒方 邦安、頓田 卓夫
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,177-183(1965)