3.缶詰の内面腐食に関する研究-Ⅲ
ミカン缶詰のスズ溶出におよぼす硝酸イオンの影響

水の添加量の比較的少ないミカン5号缶詰のシラップ中に硝酸イオンを一定量添加し、1缶当たり87gのシラップを注入して、常法通りかん詰を製造した。室温ならびに37℃恒温室に貯蔵して経時的に開缶測定を行ない、スズ溶出量におよぼす硝酸イオンの影響を調べた。

1)ミカン缶詰では硝酸イオンによるスズ異常溶出は室温3〜6カ月貯蔵以内の早期に発生することが判明した。

2)シラップ中の硝酸イオン量が多い程、スズ溶出量も多くなり、スズ溶出量と硝酸イオン量との間には明らかな相関関係が認め られた。

3)水の添加量の少ない果実缶詰においてもジュース缶詰の場合と同様にシラップ調合用水中の硝酸イオンに注意が必要であり、硝酸性窒素量として5ppm以下が望ましい。

著者
岩本 喜伴、堀尾 嘉友、小林 祥子、前田 琇子
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,15-21(1967)

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