11.ポーラログラフによる缶詰の研究-ⅩⅤ
輸出向けミカン缶詰控え見本の開缶成績

製造後、約6カ月を経過した輸出用控え見本の試験用ミカン缶詰120点につき、色々と検討を加えた結果、

1)内容総量、糖度共、全数、規格に合格した缶詰であった。

2)これらの缶詰のスズの測定成績は、79.1±7.3ppmであった。

3)また、鉄の測定成績は、5.1±1.0ppmであった。

4)スズの測定成績を群別し、検討した結果、
・缶材仕様とスズの溶出量については有意差が認められない。
・製造工場とスズの溶出量間には有意差が認められた。

5)鉄の測定成績を群別し、検討した結果、スズ項とは逆に、
・缶材仕様と鉄の溶出量について、有意差が認められ、Endsのみに防蝕塗装を施した群の鉄の溶出量が著しい。
・製造工場と鉄の溶出量については、有意差が認められない。

すなわち、前報と同様、缶のEndsのみに防蝕塗装を施した缶詰は、スズの測定結果では差異がないが、全内面Plain缶に比べ、Bodyのみについて考察すれば、単位面積当りのスズの溶出が激しく、ブリキ材の合金層あるいは、鉄面まで腐蝕が進行するため、缶詰のシェルフライフを短くする危険がある。

著者
小田 久三、沖永 ミドリ、小林 みどり
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,74-83(1967)

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