38.水産物貯蔵中のトリメチルアミン・オキシド含量の変化と水産物鮮度判定法

数種海産食品貯蔵中のTMAO量の変化の様相を調べ、これらに基づいて海産食品鮮度判定法の可能性について考察した。検討した動物食品、魚類、貝類(斧足類を除く)、頭足類では、TMAOは日数とともにほぼ共通したパターンを描きつつ減少する。すなわち、死直後の急速な減少期のあと数日間著しい減少はなく、初期腐敗の開始とともに、再び急激な減少期があり、TMAOは速やかに消滅し、代って生体塩基の増加がみられる。

このバターンから考察して、可能と考えられる鮮度判定法は次のとおりである。 1.TMAO含有量による判定
2.TMAO量とTMA量を比べて等しいか、あるいはより少ない場合、食用不適とする判定法
3.単位時間当たりのTMAO減少量による判定法

著者
大塚 滋、富永 哲彦、岡田 文子、加藤 育代
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,313-322(1967)

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