39.缶詰食品中のアルミニウムの定量について

アルミニウムを缶構成材料の一つに使用した缶詰容器の耐内容物性を評価する際、評価手段の一つとして内容物中に溶出してくるアルミニウム量を知る必要があるので、定量方法としてアルミノン比色法並びに原子吸光分光分析法をえらび、これらの方法について缶詰食品への適用性を検討した。

1)アルミノン比色法において、呈色試薬アルミノンはその品質に可成り差があるので、使用時注意する必要がある。

2)アルミノン比色法は分析操作に可成り長時間を要するので、多数試料の測定には適していない。

3)アルミノン比色法の536mμにおける比色測定では共存する鉄スズなどの影響を受けるが、実際の調整試料ではその含有量がごく微量となるため、大抵の場合、繁雑な除鉄除スズ操作を省略しても満足な結果を得ることができる。

4)原子吸光分光分析法のアセチレン-亜酸化窒素系炎を用いた測定法では試料中の共存元素の影響もほとんどなく、かつ、再現性もよく簡便、迅速な測定が可能であるが、検量線の勾配が測定のつど変動することが欠点としてあげられる。それ故、毎回検量線を作製する必要があるが、缶詰食品について多数試料の測定には適した方法である。

著者
木村 圭一、児島 宏枝、衣裴 寿子、小田 久三
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,261-269(1971)

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