17.貝類缶詰の緑変に関する研究-ⅩⅠ
缶詰かきの緑色色素量と銅クロロフィリンの酸化生成物の物理化学的性質の比較

缶詰かきの緑変に関与している緑色色素がポルフィリン環を有 するクロロフィル誘導体であるか否かを確認するために、緑色色素を三酸化クロームと硫酸で酸化し、その酸化生成物と銅クロロフィリンの酸化生成物の物理化学的性質を比較検討した結果、その酸化生成物はいずれも酢酸を含めて4成分に分けられ、そのうち3成分はベンジルアミン塩を形成し、それらの物理化学的性質はいずれも全く同一の挙動を示すことが認められた。また、4成分のうち1つは酢酸であり、いま1つはシュー酸であることが判明した。

著者
長田 博光
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,104-111(1973)