5.ガスクロマトグラフィーによるワイン中のジエチレングリコールの迅速定量とGC-MSによる確認

ワインに添加されたジエチレングリコール(DEG)をGCで定量する方法とGC-MSで確認する方法について検討した.

ワイン1gを乳鉢に入れ,それに内部標準としてテトラエチレングリコールジメチルエーテルの1%エタノール溶液1mℓ,無水硫酸ナトリウム15gを添加しよく混和する.10分間放置後エタノール10mℓで2回抽出する.抽出液を湯浴上で約1mℓまで混縮し,その0.2-10μℓをGCに注入する.GC測定条件はPEG-20Mガラスカラム(3mm×3m);200℃定温;N2 40mℓ/min;検出器FID.DEG含有量0.001-10%の範囲において内部標準を添加して作成した検量線からDEG含有量を求めた.ワインにDEGを各々0.005%,0.05%,0.5%及び5%添加した試料について,各々5回づつ測定した場合の変動係数と回収率は4.3%,67.9%;3%,98.7%;1.2%,98.9%及び2.1%,99.9%であった.キャピラリーカラム(HiCap‐CBP20:PEG‐20M相当)を用いたGC‐MSによって約0.01%までのDEGが確認出来る.

著者
達家 清明、末兼 幸子、小浜 正江
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,17,37-40(1987)

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