10.容器詰茶類飲料の市販品調査と製造時の有効成分の安定性

容器詰茶類飲料市販品のカフェイン,カテキン類に関する実態調査と茶飲料缶詰製造中のそれらの変化を調べた.

容器詰茶類飲料のカフェイン濃度は通常お茶を飲む時の標準的な入れ方の2/3程度,カテキン類の濃度は1/2-2/3程度であり,pHの低い方が概ねカテキン類の残存率は高かった.

カテキン類はカフェインと比較して熱に不安定で,加熱殺菌により(+)-カテキンが著しく増加し,他のカテキン類は減少した.(+)-カテキンの増加は(-)-エピカテキンの異性化に由来した.更にL-アスコルビン酸の添加がカテキン類の安定化に有効であった.

著者
末松 伸一、久延 義弘、西郷 英昭、松田 良子、原 京子、小松 美博
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,19,79-88(1992)