28.励起蛍光マトリクスに基づくエダマメの糖組成および水分の迅速推定

2022年度研究助成 (2023年度研究実施)

枝豆の収穫適期は短く、適期を逃すと急速に品質が劣化するため、高品質な枝豆を生産するためには収穫適期を正確に推定する必要がある。従来、エダマメの水分含量や遊離糖含量は熟度が増すにつれて変化することが報告されており、これら熟度関連品質を測定することで収穫適期の正確かつ客観的な判定につながる可能性がある。そこで本研究では、従来の化学分析に代わり新たに蛍光分光法に着目し、莢表面の蛍光特性に基づくエダマメの熟度関連品質の推定を目的とした。収穫日の異なるエダマメ試料における励起蛍光マトリクス(EEM)の測定を行い、果実中の水分含量と遊離糖含量(フルクトース、グルコース、マルトース、スクロース)を推定した。
EEM測定により、エダマメの莢表面の蛍光特性は収穫適期前と収穫適期後で明瞭な変化を示した。また、水分含量と遊離糖含量は熟度によって変化することがわかった。EEMデータを入力として熟度関連品質を推定するための部分最小二乗回帰(PLSR)モデルを構築した結果、水分含量の推定においてR2=0.73という結果を得た。一方、フルクトース含量の推定ではR2=0.46となり、水分含量の推定においてEEMの有用性が示された。水分含量の推定では、波長重要度(VIP)の結果からクロロフィル由来のピークである685nm付近の蛍光波長で最も高い値が得られた。また、励起波長350~400nm、蛍光波長400~500nm付近のピークが推定に寄与していることがわかり、蛍光イメージングへの応用可能性も示された。

所属
新潟大学 農学部
著者
斎藤 嘉人
出典
東洋食品研究所 研究報告書, 35, 167-171 (2025)

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