18.ヘスペリジナーゼによるミカン缶詰白濁防止に関する研究-Ⅱ

ヘスペリジナーゼをミカン缶詰の白濁防止に応用して、次のような結果を得た。

1)浸漬法、投入法のいずれにしろヘスペリジナーゼ剤を使用することにより、2年後でも十分透明度が高くそして品質の点でも優れた製品が得られる。またこのヘスペリジナーゼの白濁防止効果は、MCよりも大きい。

2)ヘスペリジナーゼの添加により、ミカン缶詰液汁中の ヘスペリジンは15日以内に、その大部分がヘスペレチン-7-グルコシッドに分解され可溶性となり、白濁が防止される。そしてこのヘスペレチン-7-グルコシッドは、その後、除々にヘスペレチンに分解されていく。

3)人甘併用品に応用する場合には、全糖品より殺菌条件を若干低くする。そして人工甘味料としてサイクラミン酸ソーダ単独では十分な効果が得られず、甘味度として50%またはそれ以上のサッカリンを併用する必要がある。

著者
下田 吉夫、奥 正和、森 大蔵、澤山 善二郎
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,130-139(1967)

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