15.貝類缶詰の緑変に関する研究-Ⅱ
缶詰かきの緑色色素の分離と物理化学的性質(2)

缶詰かきの緑色色素をシリカゲルカラムクロマトグラフィー、セファデックスLH-20によるゲルろ過、キレート剤およびペーパークロマトグラフィーにより精製し、石油エーテル、エーテル、アセトンおよびクロロホルムにて分別した結果5成分に分けられた。これらの色素の可視および赤外線吸収スペクトル、薄層クロマトグラフィーのRf値、溶剤に対する溶解性ならびに構成元素について調べた結果、緑色色素1と2は、ほぼ同一の色素であり、緑色色素4と5も同一であると考えられるので、缶詰かきの緑色色素は三成分より成り、それらはクロロフィルの誘導体であろうと考えられる。

著者
長田 博光
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,90-95(1971)

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