10.加工原料トマト産地におけるトマト果実の硝酸塩蓄積に関する実態調査

トマト果実のNO3-N蓄積要因を知る目的で,1968年に加工用トマト産地の8ほ場について実態調査を行なった.まず果実のNO3-N含量の多少から8ほ場を果実のNO3-N高蓄積性ほ場と低蓄積性ほ場に分類した.ついで栽培条件を調査し,高蓄積性ほ場は低蓄積性ほ場に比較して,窒素と加里施肥量が多く,土壌のNO3-N含量,置換性石炭と加里含量が高い傾向にあることを認めた.調査ほ場は比較的近距離内にあり,同一系銃の火山灰土壌に属し,気象条件にも大きな差異がみられなかったことから,各ほ場のトマト果実のNO3-N含量の差異は肥培その他栽培条件など人為的に管理できる要因が関与する.

著者
東洋食品研究所 硝酸委員会
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,12,57-67(1976)