14.みかん缶詰への組織崩壊酵素の応用-Ⅱ
剥皮条件の検討と実缶製造試験

みかん内皮の剥皮法として酵素単独法,アルカリ-酵素法について検討を行った.酵素単独法の場合には剥皮効果,廃水の性状の点で問題があることが認められた.一方アルカリ-酵素法では低濃度,短時間に剥皮出来ること,酵素液は6〜7回の反復使用が可能であることを認めた.また本法で得られる廃水はCODが低いだけでなく,高分子のCODが多いためCa塩処理等で凝集沈殿さすことにより,著しくCODが低くなることが認められた.

アルカリ-酵素剥皮後,適当な失活処理を行えば十分良好な品質の缶詰製品が得られる.

著者
下田 吉夫、奥 正和、宮廻 和代、富永 哲彦、大塚 滋
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,12,86-92(1976)