12.緑茶飲料缶詰の嗜好性に及ぼす飲用温度と成分の影響

緑茶飲料缶詰の嗜好性に及ぼす飲用温度と成分含有量との影響を調べるため,6つの抽出条件で調製した緑茶飲料缶詰を成分分析と官能評価に供した.

高温抽出品は高温飲用(55℃)の方が,逆に低温抽出品は低温飲用(10℃)の方が嗜好性は高くなった.これは,抽出温度によるカテキン類の溶出挙動の違いとカテキン類の水中閾値の飲用温度依存性が影響しているのではないかと考えられ,飲用条件に応じて抽出条件を設定する必要性が示唆された.

緑茶飲料中のカテキン類を安定に保つ目的でL-アスコルビン酸を添加する場合,pH5程度までは風味に影響を及ぼさないことが確認された.

著者
末松 伸一、久延 義弘、西郷 英昭、松田 良子、原 京子、小松 美博
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,20,97-103(1994)

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