7.缶詰食品の加熱殺菌におけるレトルト温度プロフィールの最適化

缶詰食品やレトルト食品の加熱殺菌においては,所定の殺菌効果を達成しながら品質面での劣化をできるだけ避けるようにすることが理想的である.これを実現するために古くから高温殺菌が注目されている.しかし,高温で殺菌すると容器の中心部で一定の殺菌効果が達成されている間に容器の外表面近くの食品は高温にさらされて食品成分の劣化が非常に大きくなることがある.このような食品成分の劣化を克服する方法として殺菌温度を時間によって変化させれば高温殺菌の効果がさらに大きくなることが期待される.ここでは伝導で熱が伝わる食品が詰められた缶詰食品の中心でのF0値を一定としC値(cook-value)を最小にするという観点からレトルト温度プロフィールを検討した.問題を拘束条件付終端時間未定の最適制御問題としてとらえ,レトルト温度プロフィールと加熱時間とを同時に最適化することを試みた.

著者
寺島 好己
出典
東洋食品工業短期大学・東洋食品研究所研究報告書,24,59-70,(2002)

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