International Manila and European Clams Conference - SYMPA
(Le Palais des Congrès, アルカション (フランス)) で、以下を発表します。
ヨーロッパおよび日本における"日本系"アサリの分布
Distribution of "Japanese-Origin" Ruditapes philippinarum in Europe and Japan
講演番号:644251
発表者:○北畠 京祐 1,2、山崎 友資 1、大越 健嗣 1,2
(1公益財団法人東洋食品研究所、2東邦大学)
アサリは東アジア、ヨーロッパ、北アメリカに広く分布している水産有用二枚貝である。日本でもなじみ深い貝類であるが、近年は漁獲量の減少が著しく、1983 年に 16 万トンあった漁獲量は 2024 年には 4400 トンまで低迷した。その結果、需要を補うために中国や朝鮮半島産の個体が国内に導入されてきた。これは現在まで約 40 年間に渡って続いている。しかし、アサリの人為的な移動は日本に限ったものではなく、外国でも実施されている。つまり、アサリの広域な分布には自然分散と人為的分散の両方が関与している。そのため、本種の遺伝的集団構造は複雑化していることが想定される。そこで本研究は、東アジアおよびヨーロッパ産の個体を用いて、アサリの遺伝的集団構造および産地間での系統関係を評価した。その結果、日本には遺伝的に「中国・韓国系」と「日本系」のグループが存在し、フランスおよびイギリスには「日本系」が広く分布することが明らかになった。
発表日:2025年9月8日(月) 15:30 - 16:15、または 9月9日(火) 14:50 - 15:50 (ポスター発表)