15.缶詰用黄肉桃の新品種

缶詰原料用桃はペルシャ系の桃でないと均一な製品を製造することが出来ないが、ペルシャ系の桃は我が国の気候、風土に適さず栽培が困難とされていたが、最近ペルシャ系の桃と東洋系の水密桃との交配によって我が国の気候風土に適した栽培容易な新品種4種類が農林省試験場にて作出育成され発表された。

これらの缶詰用品種はいずれも我が国で栽培しやすい缶詰用黄肉種であるが熟期がやや遅く、八月中旬以後に熟するものであると地方により吸収口を持った「アケビノコノハガ」「アカニグリハ」「ヒメエグリハ」等の夜蛾の襲来を受け大きな被害を受ける恐れがあるのと、一方製造工場の運営上稼動操作の上にもっと早生種が要求されているので七月上中旬に熟するものを作出するべく品種改良を続けて来た。1940年(昭和15年)より交配を始めたが戦争のために中断され1949年(昭和24年)再び交配を続け米国産黄肉桃と東洋系の二代雑種中より有望のものの育成に成功したので発表する。

著者
黛 乙郎
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,125-128(1956)

刊行一覧