2.稲藁コンポストによるマッシュルーム栽培

最近マッシュルーム菌糸の液体培養に関する研究が活発化してきた。しかし水に不溶性の固い構成物中で塘,ヘミセルローズ,セルローズ,リグニン,蛋白質の他不溶性の微量成分を分解し同化する作用機作については未だ解明されていない。この研究はマッシュルーム栽培上の基礎知識を深めるために行なったものである.

マッシュルーム栽培に稲藁コンポストを使用して良好な収量が得られる。殺菌コンポストを使用する試験を並行したが,殺菌コンポストは開放状態では雑カビに侵かされやすく菌糸の培蕃は不可能であった。よって培養ビン中で無菌的に菌糸を培養し、繁殖後収穫室に移し、ベッドを造った場合の収量は大体満足すべきものであった。この方法の子実体には菌柄部が少ない傾向がみられたが,通常法に比して変異が起っているとは認め難かった。

著者
高橋 善次郎、岡 信子、岩本 喜伴
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,7-16(1963)

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