5.硫化黒変に関する研究-Ⅰ
アスパラガス中の腐食因子について

アスパラガス缶詰について,従来の腐食因子とされているアントシアン色素,硝酸イオンや遊離のシスチンやシスティンとは異なった腐食因子が存在すると考えて,ホワイトアスパラガスのエキスの検索を行った.その結果,アスパラガス中の腐食および黒変因子は,硝酸イオンや遊離のシスチンやシスティンとは異なり,少なくとも2種類以上の酸性物質であることを見出し,かつこれらの腐食要因物質は化学的に分解をうけやすい結合体であると考えられるので,これらについて報告する.

著者
竹内 伊公子、長田 博光、大塚 滋
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,11,30-38(1974)