2.カリフラワー葉肉細胞由来プロトプラストからの植物体再生

加工原料野菜の育種に細胞融合法を利用するため,まずカリフラワー葉肉プロトプラストからの植物体再生条件を検討した.

播種後約1カ月の無菌苗を材料とし,0.1%ペクトリアーゼY-23,0.3%セルラーゼオノズカRS,0.5Mマンニトール,CPW塩添加,pH5.8の酵素液で3時間処理し,プロトプラストを精製した.

オーキシンの種類や濃度はプロトプラストの初期分裂にほとんど影響しないが,その後のコロニーやカルス形成に影響を及ぼすため,初期培地は1/2MS(200mℓ/ℓ NH4 NO8,1%しょ糖,0.5Mマンニトール,pH5.8)に1mℓ/ℓ BAと2.5mℓ NAAの組合せが適していた.形成されたコロニーを1/2MS(200mℓ/ℓ NH4 NO8,1mℓ/ℓBA,2mℓ/ℓ NAA,1%しょ糖,pH5.8)寒天培地に包埋したところ良好なカルスが形成された.このカルスをMS(200mℓ/ℓ NH4 NO8,1mℓ/ℓ ゼアチン,1%しょ糖,pH5.8)寒天培地に移植すると茎葉の分化がみられた.それらをMS寒天培地に移植し,発根を促したところ根が分化し,完全な植物体を得ることができた.

著者
後藤 隆子、宮崎 正則、奥 正和、佐藤 宏、若狭 勝、美谷 誠一
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,18,9-17(1990)

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