7.缶詰の真空度,pH及び缶内面の黒変に及ぼすポリリン酸塩の影響

ポリリン酸塩を添加した場合の缶詰の真空度,pH,及び缶内面に及ぼす影響について調べた.

pHの異なる5種類のポリリン酸塩を1%のホタテ貝エキスに0.25〜1.0%添加し,その混合液を酸化亜鉛を含むラッカー塗装ツナ2号缶に詰め,密封後110℃,80分間加熱して缶詰を造り,これらの缶詰を37℃恒温に12カ月間貯蔵した.

いずれの缶詰もpH及び真空度はほとんど変化しないが,缶内面はpH7.07以上のポリリン酸塩を0.75%以上添加すると貯蔵中に黒変が発生した.また胴部や天地蓋部の塗膜が剥離した.

著者
長田 博光、朽木 由香子
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,19,53-60(1992)