変敗原因菌の検出法は、検出に時間のかかる塗抹法が主流であり、その他の検出方法にはコスト・精度面において懸念がある。そこで、食品変敗菌に特異なモノクローナル抗体を作製し、これを用いた簡易な検出および増殖制御システムを構築する。構築した検出系は、現行の検出法を補完し、変敗菌の迅速な検出が可能となることを期待している。2024年度は抗体の作製および作製した抗体の特性評価を目標とした。食品変敗菌4菌株 および食中毒菌1菌種を抗原としてマウスに接種し、得られた血清を用いてELISAテストを実施した結果、各細菌に対する抗体ができていることが確認できた。抗体特異性が認められたマウス由来のB細胞から抗体産生細胞を作製し、抗体ごとのサブクラスや精製方法などの特性をリスト化した抗体ライブラリの基盤を構築した。