イチジク茶の機能性として、炎症抑制効果を見出しており、機能性食品利用が期待される。一方で、イチジク茶は苦味・渋味を有し、継続的な摂取の妨げになると考えられた。そこで、風味改善を目的に苦味成分の同定を試みた。ヒト苦味受容体を発現させた培養細胞の応答性調査では、ルチンとプソラレノシド(PO)を見出した。味認識装置では、POのみ苦味を示した。また、POを含まない品種「ビオレドーフィン(VD)」を原料とした茶液の官能評価では、含むものと比較して有意に苦味が少なかった。更に、電子味覚システムの苦味予測では、VDにPOを添加することで予測値の増加が確認された。これらの結果から、POはイチジク茶の苦味寄与成分であることが示唆された。一方、イソシャフトシド(ISS)のアトピー性皮膚炎(AD)抑制への寄与を調査したが、ISSはAD抑制に寄与しないことが示唆された。