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アレルギーからの回復に対するイチジク茶の影響

背景・目的

当研究所の所在する兵庫県川西市は、イチジクの産地です。これまでに、イチジク葉を加工したイチジク茶がⅠ型アレルギーの症状を緩和することを、培養細胞実験および動物実験から見出しました(図1)。その抑制機序は、Ⅰ型アレルギーの発症に関与するIgE抗体が結合した炎症細胞(感作状態)から、抗体の解離を促し、感作前に近い状態に戻す(脱感作)ことと推察されました。IgE抗体解離促進効果を有する食品素材は新規であり、この作用機序の利用によりアレルギーの症状緩和だけでなく回復促進効果が得られことが期待されました。

イチジク茶図1.png

図1 イチジク茶の外観

方法・結果

ラット好塩基球細胞株RBL-2H3を用いて解離作用の持続性について調査しました。感作状態の細胞に茶液を処理し抗体を解離させた後、抗体あるいは抗体と茶液を再添加し、炎症物質放出量を調査しました(図2A)。結果、茶液の有無に関わらず、抗体を再添加しても炎症物質の放出量は同等に抑制されていました(図2B)。従って、イチジク茶の抗体解離作用は持続的であると示唆されました。

イチジク茶図2.png

2 アレルギー抑制効果の持続性評価                             A:抗体再添加試験の実験手順 B:炎症物質放出量の測定                     対照区の放出量を100%とした相対評価                              値が低いほど、アレルギー抑制効果が強い

アトピー性皮膚炎モデルマウス(NC/Ngaマウス)にイチジク茶を飲ませて、アレルギー性皮膚炎症状からの回復効果が得られるか調査しました。本試験では、炎症による耳介部の腫れを耳介部厚として評価しました。また、試験期間の前半はダニ抗原投与によるアレルギー発症に対する影響を、後半は抗原投与をしないことで皮膚炎からの回復に対する影響を調査しました(図3A)。結果、アレルギー発症期間(前半)では、イチジク茶を飲ませた群で耳介部の腫れが抑制される傾向にありました。回復期間(後半)では、蒸留水を飲ませた群では、症状の悪化が確認されたのに対し、イチジク茶群では、小康状態を示しました(図3B)。これらの結果から、イチジク茶はアレルギー性皮膚炎の症状を緩和すると共に、炎症からの回復を促進することが期待されました。

イチジク茶図3.png

3 アレルギーからの回復作用の検討(動物実験)                       A:動物実験の手順 B:耳介部厚の推移                             発症期間:イチジク茶投与群で増加量が低下→症状緩和                      回復期間:蒸留水投与群で増加量が増加→症状悪化(回復していない)               イチジク茶群は増加なし→小康状態(回復している?)

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