3.硫化黒変に関する研究-Ⅳ
アスパラガス中の遊離アミノ酸組成と缶内面腐食性

生アスパラガスの原料部位別,収穫時期別,収護地域別の遊離アミノ酸組成とそれぞれの試料を実缶試験に供して得た缶内面腐食性との関係について調べた.生アスパラガスには,スレオニン,セリン,グルタミン酸およびアラニンが多く含まれ,頭部にはアルギニン,リジンおよびヒスチジンが他の部位にくらべてかなり多く含まれていた.また,頭部は溶出スズ量および硫化黒変の度合が著しかった.収種時期別では,プロリン量が4月中旬に最も多く含まれ,6月中旬には約10分の1量にまで減少した.溶出スズ量と硫化黒変の度合も同様に収穫の時期に従って低下の傾向を示した.地域別では,札幌産のプロリン量が高く,金沢産の約5倍を示した.

著者
竹内 伊公子、長田 博光、大塚 滋
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,12,12-17(1976)