8.茶棄中のカフェイン・カテキン類の定量における熱水抽出法とアセトニトリル抽出法の比較

緑茶茶葉中のカフェイン・カテキン頚を熱水抽出するとカテキン類は異性体を生成する為,カテキン類の組成が変化する.そこで,カテキン類の異性化反応を防止して抽出する方法を検討した.

緑茶の抽出倍数は100倍(W/V)とし,80℃の熱水と20℃の水,アセトニトリル及び容積比の異なるアセトニトリル・水を用いて攪拌抽出し、抽出液中のカフェイン及びカテキン類を高速液体クロマトグラフ法で同時定量して比較した.

80℃の熱水抽出では抽出操作中において,カテキン類の異性体が増加するのに対し,20℃のアセトニトリル・水での抽出では,アセトニトリルと水との容積比を1:1とし,20℃で40分間攪拌抽出する事により,茶葉中のカテキン類は異性化せずに全量抽出する事が出来た.

カフェインについては80℃の熱水及び20℃のアセトニトリル・水の容積比1:3から3:1の範囲内における抽出とも,殆ど濃度差は認められなかった.

著者
久延 義弘、末松 伸一、西郷 英昭、松田 良子、原 京子、小松 美博
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,20,67-73(1994)

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