7.脱酸素剤利用による包装食品の保存性

近年,プラスチックの機能性包材として酸素吸収容器の開発が進みつつあるが,その食品保存性能の資料は少ない.ゆえに,それに類似する方法として,簡単なプラスチック包装材と脱酸素剤の組合せによる方法で食品の保存性能を調べた.

試料はポリプロピレンカップに酸化劣化のしやすい食品として選んだグルコース・グリシンモデル液,オレンジジュース,大豆油の各々を蜜封し,それをナイロン/ポリプロピレンパウチに脱酸素剤1包(酸素吸収能100mℓ)と共に少量の含気状態で外包装を施した二重構造包装とした.

試料の12ヵ月間保存における経時変化を色調,アスコルビン酸,過酸化物価等で評価した.

その結果,対照とした外装材のアルミ箔積層パウチと評価は類似し,簡易包装体でも脱酸素機能を持続させることによって,食品の品質を良好な状態で保てることを認めた.

著者
西郷 英昭、原 京子
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,20,55-65(1994)

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