9.高品質なマッシュルーム加工品の製造方法

マッシュルームの加工ではチロシナーゼ(ポリフェノールオキシダーゼの一種)による褐変が問題となる.この酵素的褐変を制御するために褐変関与因子を調べた.さらに,テクスチャーの低下を抑制するため,テクスチャーの低下に関与する因子を調べた.その結果から褐変と軟化を抑制する加工方法を考案した.

本方法で加工したマッシュルームを評価した結果,色(a*,b* 値)は褐変の対照として使用した60℃ 12.5分間加熱したものより小さかった.テクスチャーは生鮮品の約半分程度まで減少していたが,既存品の2 倍程度の荷重を保っていた.旨味成分はグアニル酸,グルタミン酸共に既存品より含量が増加しており,特にグアニル酸は,生鮮品の1.8倍,既存品の3〜 4倍の含量であった.

著者
井上 竜一、青山 好男
出典
東洋食品研究所 研究報告書,28,59-64(2010)

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