1.イチジク(Ficus carica L.)葉におけるフェニルプロパノイド類の同定

イチジク(Ficus carica L.)の葉における,フェニルプロパノイド類の組成ならびにそれらの抗酸化活性を調査した.ポリフェノールに関しては,過去に報告例があるルチン,イソシャフトシド,イソケルセチン,クロロゲン酸に加え,これまで報告例がなかったカフェリンゴ酸(CMA)を同定した.CMAはイチジク葉において最も含量の多いポリフェノールで,ビタミンC あるいはカテキンと同等の抗酸化活性を示した.イチジク葉では既知のフラノクマリン類である,プソラレンとベルガプテンを同定した.含量はプソラレンの方が多かった.さらに,イチジク葉では初めてプソラル酸グルコシド(PAG)を同定した.PAG はプソラレンの前駆物質として,プソラレンと同モル量含まれることが分かった.5品種を調べた結果,上記化合物の含量は品種によって異なり,その変異はポリフェノール類よりもフラノクマリン類やPAG の方が大きかった.CMAやPAGがヒトの健康に及ぼす作用は未解明な部分が多いため、イチジク葉の機能性を解明するには両物質のさらなる調査が必要である.

所属
* National Institutes of Health(USA)、**東京工業大学大学院 生命理工学研究科
著者
高橋 徹、沖浦 文、齋藤 圭太*、河野 雅弘**
出典
東洋食品研究所 研究報告書,30,1-10(2014)