11.畜肉の筋線維のほぐれやすさ測定方法

常温保存可能な容器詰食品において,肉のテクスチャーは商品価値に大きな影響を及ぼす.テクスチャーは,硬さ,弾力,ほぐれやすさ,多汁性等様々な要因が関係する.特にほぐれ感は,筋線維を束ねている筋周膜が脆くなり,筋線維がほぐれることにより発現する食感である.ほぐれやすさは官能で評価されている場合が多く,公定法のような一貫した方法がない.そのため,客観的な評価方法を確立する必要がある.評価法の一つとして,測定機器を用いたほぐれやすさの測定方法を検討した.加熱後の畜肉において,ほぐれやすさは単位面積当たりのエネルギー値で表される歪み率50%の逆数で表現することができ,加熱量が多いほど,ほぐれやすくなり,官能評価結果と一致した.

著者
稲田 有美子, 稲葉 正一
出典
東洋食品研究所 研究報告書, 32, 77-79 (2018)

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