7.人工肥培地によるマッシュルーム栽培(第4報)
マッシュルーム菌糸に対する温度の影響

マッシュルーム菌糸の成育と温度との関係については前報告書に記載の多数の研究とB.B.Stoller(1954)があり、その成育範囲は3〜33℃とされている。これが成長の限界で死滅の温度は未だ明らかでない。商業的栽培が行なわれる際、栽培室温及び栽培床温が菌の成育の良否に、さらには菌茸の収穫の成績に想像を超えた極めて深い関係を有するので、この為各栽培地域と栽培時季とには慎重な考慮を払う必要がある。この実験は菌の生死の限界を知る目的で行ったもので、小麦を主とする培養基の純粋培地及びブドウ糖寒天培地を使用した。試験の結果によれば菌糸は37℃で15日間は生存し、低温には-2℃60日間で死滅した。しかし菌の系統によって高温に耐性のあるもの或いは低温には耐性の強いものがあった。

著者
高橋 善二郎、岡 信子
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,61-65(1956)

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